東京の自宅から、ACC日本オフィスのディレクターを務める吉野 律をご紹介します。「私の自宅へようこそ!」と、蔡國強さん(ACC 1995-2012)や中村錦平さん(ACC 1970)の作品について触れながらご挨拶。現在、ACCのスタッフは在宅勤務を実施していますが、吉野はACCのアルムナイや、日本のアートコミュニティの動きや息づかいに深く耳を傾けています。「多くのグランティが ”ニューノーマル(新しい日常)”の世界で、どのように活動を再開するかを模索しているのを目にしています。他者と協力して方法を見つけ出そうとしている方もいれば、一人で熟考されている方もいます。何らかの表現手段を生み出す前に、考え、調べ、消化し、理論を練り上げていくことは、大変な作業です。日本の多くのACCグランティの方たちは、この時間や出来事の価値を、現代社会に対応するための新しいパラダイムやコンセプトを生み出すきっかけのようなものとして最大限に活用しているのではないかと思っています。」
「この困難な状況の中、人々が心の触れ合いや優しさを求めていることを感じています。人は人との関わりなくしては生きていけないし、芸術や文化なくしては生きていけないと私は心から思っています。芸術は、憎しみや恐れに打ち勝つ力を与えてくれますし、想像力を大切にすることで、違いや未知のものを理解することにもつながります。」と吉野は言います。日々が未知のことで満ちていますが、吉野はACCアルムナイの作品や取り組み、そして彼らの"勇敢な精神"に刺激を受けています。「世界中のグランティやACCファミリーと同じ時代に生きていることをとても幸せに感じています。新しい未来が何を待ち受けているのか、少し楽しみに思っています。」と話してくれました。