ACCは、2024年6月19日に逝去された現代美術家、三島喜美代さん(ACC 1986)に、深く哀悼の意を表します。大阪出身の三島さんは、絵の具、コラージュ、粘土など様々なメディウムを用いた作品を発表したアーティストです。彼女の代表的な作品である、陶による彫刻作品は、廃棄された新聞、印刷物、段ボールなどのゴミをリアルに描写し、大量消費と情報化社会に関する言説の最前線に登場させました。こうした衝撃的な彫刻をはじめとするアート作品は、社会の浪費に対する批判として、現代のマスメディアの「使い捨て」的性質を物語りました。三島さんは、日々のニュースの「壊れやく」「使い捨て」される点を表現するために、リサイクルされた粘土を彫刻に用いました。
1986年、三島さんはACCの助成を受けて、アメリカの現代美術の動向を調査しました。ニューヨークのギャラリー、ジョアン・B・ミルヴィスが三島さん捧げた追悼文の中に、次のような一節があります。
「1986年から87年にかけてロックフェラー・グラント(ACCの助成)を受けたことで、ニューヨークのアートシーンが彼女の作品の発展に大きく影響した。彼女の作品は進化し続け、ウィットに富んだ隠喩的な彫刻作品は国際的に展示された。」
三島さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
Mishima Kimiyo, 2021. PHOTO PHILIP FONGAFP VIA GETTY IMAGES.