今年のイースト・ウエスト・ダイアローグでは、建築家の隈研吾氏をむかえ、近年のプロジェクトの紹介とともに、新たな生活の質のあり方における環境と調和した建築の創造、そしてそれに対する包括的なアプローチを通じて2020年以降を見据える氏のダイナミックなビジョンが紹介されました。また、隈氏のプロジェクトとそれが文化交流の重要性とどのように関連しているかについてもお話しくださいました。
隈氏は1985年のニューヨークでのACCフェローシップでの体験を通して、人生で初めて自分の文化を他の人と共有する必要性を感じたと話しています。それまで氏にとって日本の伝統は当たり前のことでした。そこで、隈氏はニューヨークで出会った友人を招き、自身と日本の人々にとって重要な伝統を学んでもらい共有するための茶会を開かれたそうです。
世界的に著名な建築家である隈研吾氏は、1985年にコロンビア大学大学院建築計画学 (Architecture and Planning) の客員研究員となるにあたり、ACCのフェローシップを受給しました。氏の建築作品は日本建築の伝統的美学の回復と活性化を目指した現代的なアプローチにおける自然と天然の素材から着想を得て創造されています。
また、隈氏が設計を手掛けた東京の新国立競技場は、ジャパン・ソサエティ「メイド・イン・トーキョー:建築と暮らし1964/2020」展において展示、紹介されました。
2019年11月13日(水)、アジアン・カルチュラル・カウンシルはニューヨークにて、ファンドレイズガラを開催いたしました。隈研吾氏には、ACCより、ジョン・D・ロックフェラー3世賞を、また、高名な慈善家でもありACCの名誉理事長でもあるエリザベス・J・マコーマック氏には、ブランシェット・フッカー・ロックフェラー賞を授与いたしました。
隈研吾氏のイースト・ウエスト・ダイアローグ講演にいらっしゃれなかった皆様は、こちらでその記録をご覧いただけます。
今年のイースト・ウエスト・ダイアローグは、アジアン・カルチュラル・カウンシル及びジャパン・ソサエティの共催事業として開催されました。
ジャパン・ソサエティーでの展覧会にて。左から隈研吾氏、麻生和子氏(ACC 理事)、ミホ・ウォルシュ氏(ACC エグゼクティブ・ディレクター )、神谷幸江氏(ジャパン・ソサエティー ギャラリーディレクター)
ジャパン・ソサエティーでの「メイド・イン・トーキョー:建築と暮らし1964/2020」展にて、ACCの理事と展示について話される隈研吾氏。
隈研吾氏、麻生和子氏(ACC 理事)、ミホ・ウォルシュ氏(ACC エグゼクティブ・ディレクター )、神谷幸江氏(ジャパン・ソサエティー ギャラリーディレクター)