岩根愛 さん(ACC 2022年)は、1996年より活動する日本の写真家です。米国カリフォルニア州北部のオルターナティブ・スクールであるペトロリアハイスクールに留学し、オフグリッド*、自給自足の暮らしのなかで学びました。様々な雑誌媒体や音楽関連の仕事のほか、世界各国のコミュニティの調査、記録に取り組んでいます。綿密なフィールドワークと取材を通して、様々なコミュニティが保持してきた自然伝承や無形文化を調査し、その取材をもとに写真や映像インスタレーション作品を制作しています。複数のコミュニティの記憶に深く接続することで、時間、空間を超えた見えないつながりを浮上させ、歴史と地理における俯瞰的な視野の獲得を試みています。
電力会社の送電網(grid)などのインフラに依存しない生活

岩根さんは、ACCの助成を得て、マトール川流域とその一帯のカリフォルニア州北部ハンボルト郡でフィールドワークと取材を行い、鮭と人をめぐるコミュニティ文化を学びました。1970年代にこの地域に移り住んだ環境主義者たちによる、米国初となった市民主導による鮭の遡上回復と河川流域の保全運動、演劇などの芸術実践を調査し、コミュニティとの関わりを中心に活動を行いました。また、流域の先住民族であるベアリバーバンド・ローナヴィル・ランチェリア族が受け継ぐ、マトールの鮭にまつわる精神文化や伝承を調査しました。

以下の動画では、岩根さんご自身がACCの助成で得られた経験について、北カリフォルニア滞在時の映像や画像と一緒に紹介してくださっています。

 

Video and photo credit ©️Ai Iwane from the series The Opening (2022) 

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