活動の初期からテクノロジーを扱い、テクノロジーの合理性やスペクタクル性に隠蔽される政治性、社会性、暴力性などの問題を暴く作品やインスタレーションを制作しています。ニューヨークでは、今日のメディアアートの起源としてのExperiments in Art and Technology(E.A.T.)の活動や思想をリサーチし、結成メンバーのロバート・ラウシェンバーグとビリー・クルーヴァーを中心に、テクノロジーが孕む権威性や政治性、暴力性について、彼らが当時どのように向き合っていたかを調査します。また、現地を拠点に活動する、テクノロジーの問題を扱うアーティストやキュレーター、研究者らと交流し、関連する文化施設を訪問することで、その問題意識を議論、共有するとともに、学際的ネットワークを形成し、今後の研究制作につなげていくことを目指しています。

プロフィール
1984年、神奈川県生まれ。美術家。セグウェイが作品鑑賞する空間や、機械学習システムを用いたドローイングマシンなど、今日的なテクノロジーを導入した既成の動的製品、あるいは既存の情報システムに介入し、転用/誤用する形で組み合わせ構築したインスタレーション作品を制作。先端テクノロジーが持ちうる公共性を考察し、それらがどのような政治性を持ち、社会にどう作用するのか、又は人間そのものとどのような関係にあるかを作品をもって批評する。文化庁メディア芸術祭アート部門にて第15回新人賞(2012)、第21回優秀賞(2018)を受賞(共に菅野創との共作)。2013年、新進芸術家海外研修制度でバルセロナとベルリンに滞在。近年の主な展覧会に、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館、東京、2022)、「遠い誰か、ことのありか」(SCARTS、札幌、2021)、「DOMANI・明日展」(国立新美術館、東京、2018)、「Vanishing Mesh」(山口情報芸術センター[YCAM]、2017)、あいちトリエンナーレ2016(愛知県美術館)など。異分野とのコラボレーションも多数。