キュレーターとして、これまで中国と東アジア間の芸術的、文化的生産における相互関係や、20世紀後半のグローバリゼーションにおける異文化間の役割について研究を行っています。今回のフェローシップでは日本に約3ヶ月間、その後韓国、タイ、ベトナムなどに滞在し、各地の芸術機関やプログラムの研究、またアジアの近現代美術史の専門家たちとの交流を通して、各地のアートシーンへの理解を深めることを目的としています。日本がグローバル化する社会と相互作用しながら、いかにして新しい芸術文化を醸成してきたか、また日本やアジアの各地域の作品やキュレーションが、その地域の歴史や政治にどのように応答してきたかを考察し、ローカルとグローバルの問題への理解を深めることを目指しています。
プロフィール
現在ACCフェローとして、日本およびアジア各国でリサーチを行っている。2017年から2024年まで北京の非営利芸術機関泰康空間のキュレーターを務め、2014年から2017年までニューヨークのARTFORUM Internationalに勤務。コネチカット大学と清華大学で美術史の修士号を取得。中国の新進キュレーター奨励のための「Hyundai Blue Prize」の2018年度のファイナリストに選出され、同年「Jimei x Arles Discovery Award」にノミネートされる。2020年と2021年には、第8回ならびに第9回「華宇青年賞」の第一次審査の審査員を務めた。近年の主な企画に「Professional Amateur and Emerging Modernity:Luo Bonian and His Contemporaries, 1930-1940s」(2021)、「Let Painting Talk」 (2021)など。また『Zhang Peili: Record. Repeat 』(シカゴ美術館)の編集・翻訳に携わる。『ARTFORUM』、『LEAP』、『ArtAsiaPacific』、『FLASH ART』などに寄稿。