ヴァル・リさんは映像作品やパフォーマティブ・インスタレーション、ライブアートなどを制作するアーティストであり、ディレクターです。また、2008年に「ゴースト・マウンテン・ゴースト・ショベル・コレクティブ」を創設し、国のシステムや構造的暴力、戦争、現代における精神状態などのテーマとする、視覚芸術と舞台芸術を横断する作品を制作しています。作品の演者や観客は、不確定なシナリオや行動スクリプトによって創造される、儚く夢幻的な「状況」を体験します。これまでにアメリカ、メキシコ、日本などで作品を制作、発表し、さまざまな文化的背景を持つ俳優、ダンサー、美術史家とのコラボレーションを行なっています。今回のフェローシップでは、近年日本で発表した作品に関連するリサーチを深め、またさまざまな政治状況や歴史、文化の中での協力の精神を理解するため、広島、沖縄をはじめ、日本各地を訪れます。
プロフィール
ニューヨーク州立大学で映画制作を専攻し、卒業後、2008年に「ゴースト・マウンテン・ゴースト・ショベル・コレクティブ」を創設。映像作品はこれまでに、SOMAアート・ベルリン、台北現代美術館、ヴァナキュラー・インスティテュート(メキシコ)、HKW(ドイツ)、グラン・パレ(フランス)、光州ビエンナーレ(韓国)、台湾ビエンナーレなどで展示されている。また、ライブパフォーマンスは京都アートセンター、台湾国立劇場、台北芸術祭などで上演された。アジアン・カルチュラル・カウンシル、香港財団、国立文化芸術基金会、C-LAB、オーストラリアのパフォーマンス・スペースなどから助成を受け、2017年に台新芸術賞視覚芸術部門を受賞。