ナティビダッドさんは、フィリピンのロペス美術館・図書館のコレクション管理担当者であり、また作品保全の専門家として、フィリピン国内の公立・私立美術館の作品保存についての定期的な技術サポートやコンサルティングも行っています。また、これまでにシンガポール国立美術館、プラド美術館、米国のウォーカーアートセンターなどと作品保管や展示環境、輸送等に関する技術開発や知識交換を行い、国際的なパートナーシップも築いています。
今回の日本でのフェローシップは、日本の美術館で使用される展示や保管のための予防保全や保存のための技術や手法を調査し、日本の美術館との情報共有ならびにフィリピンの美術館におけるコレクション管理システムの向上を目指しています。また、日本の耐震制御技術についても調査し、日本と同様に地震が多いフィリピンにおける文化財保護のための耐震制御システムの開発も目的としています。

プロフィール
ロペス美術館・図書館のコレクション・マネジメント・コンサルタント。イグレシア・ニ・クリスト博物館、フィリピン文化センター、フィリピン大学、デ・ラ・サール大学美術館、メトロバンク財団、バルガス美術館、バンコ・デ・オロ、ムセオ・コルディリェラ、アテネオ美術館、イロイロ現代美術館(ILOMOCA)、マニラ・メトロポリタン美術館、フィリピン中央銀行など、さまざまな機関にもコンサルティングを行っている。インドのラックナウにある文化財保存のための国立研究所でアート保存のディプロマを取得。グレーター・マニラ・エリア美術館連盟(AGMAM)の創設メンバーの一人であり、アンゴノ・アーティスト協会の副会長を務める。近年まで、国立博物館協議会文化芸術委員会の副委員長を務める。