ドイツを拠点に活動する作曲家、笙奏者、サウンドアーティストの清水チャートリーさんは、空間やコレオグラフィーを伴う、持続と反復を用いた現代音楽作品(管弦楽作品や電子音楽など)を制作しています。また、笙の作曲法の研究者として、コーネル大学、ハワイ大学、プエルトリコ音楽院、ストラスブール音楽院、玉川大学など、世界各地の大学で邦楽器の楽譜や奏法に関する講義や実演を数多く行っています。今回の約6ヶ月のフェローシップは、コロナ禍における入国制限の影響を受け、渡航先を当初予定していた中国から、同様のリサーチが可能な台湾に変更し実施されます。台湾では「笙」が伝統音楽と現代音楽の両方でどのように使われているか、また現地の作曲家がどのように笙のクロノメトリカルな時間性を現代の作曲に反映しているのかを調査研究します。

プロフィール 
1990年生まれ。国立音楽大学(コンピュータ音楽)を首席で卒業し、同時に有馬賞を受賞。米コロンビア大学修士課程(芸術学)を同大学院奨学生として、独ドレスデン音楽大学修士課程(作曲)をシーメンス奨学生として修了。2016年マルタ国際作曲コンクール1位、2019年第10回JFC作曲賞入選、2021年第4回くにたち賞奨励賞受賞。これまでに作曲とコンピュータ音楽を今井慎太郎、川島素晴、古川聖、ジョージ・ルイス、ブラッド・ガートン、ゾーシャ・ディ・カストリ、マーク・アンドレ、シュテファン・プリンスの各氏に、音楽学をヨーン・ペーター・ヒーケル氏に師事。作品はオーストラリア、オーストリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、日本、韓国、マレーシア、オランダ、ニュージーランド、ポーランド、セルビア、タイ、イギリス、アメリカなど、世界各地で演奏、展示されている。