個人フェローシップ
個人フェローシップは、ACCの支援対象分野で活動するアーティストや文化芸術における専門家を対象とし、渡航先での調査プロジェクトを通して自身の芸術的実践を発展させ異文化体験に浸ることができるよう支援するプログラムです。
個人フェローシップは、レジデンスプログラムや特定のカンファレンス等への参加のための資金、トラベルグラント、また売り込みなどのプロモーション活動を支援するものではありません。個人フェローは自主的に異文化体験、対話、新しい関係構築、コラボレーションや仲間との知識交換を行うことでき、それをさらに促進することができる、焦点を絞った調査テーマや活動を目的としていることが求められます。
ニューヨーク・フェローシップに比べると、個人フェローシップは、渡航先や渡航時期、期間、予算に関して、より柔軟で自由度の高いものとなります。
単独申請と共同申請
個人フェローシップでは、一個人への助成を目的に提出された申請(単独申請)、また、グループを代表して申請書を提出する主申請者と2名までの連名申請者を含む最大3名までへの助成を対象とした申請(共同申請)を受け付けます。
単独申請、共同申請のいずれにおいても、申請資格とフェローシップ要件はすべて、連名申請者を含む全ての申請者に適用されます。全ての申請資格(下記参照)を満たすことに加え、連名申請者も、申請するフェローシップ活動の全期間に必ず渡航し(別々での渡航は認められません)、同等の立場での参加でなければなりません(アシスタントや副次的な役割での参加は認められません)。また、ACCは、フェローシップ活動に参加する人数に関わらず、個人フェローシップに対して35,000米ドルを超える助成金を支給しません。
単独で申請する場合は、申請種類の選択画面で「Individual Fellowship (Single Applicants)(単独申請者)」を選択してください。連名申請者を伴って申請する場合は、申請種類の選択画面で「Individual Fellowship (Joint Applicants)(共同申請者)」を選択してください。共同申請は、主申請者とすべての連名申請者の情報を含む申請書1通のみを提出してください。
以下のような内容を含む申請書は高い評価に繋がります:
- フェローシップ活動内容の詳細。日々の詳細な予定の提出は求めていませんが、個人フェローシップ期間をどのように過ごす予定でいるか、この経験から何を得たいか、また、この活動があなた自身や他者にどのような影響を与えうるかお聞かせください。
- ACCのミッションに対する関心、また、海外で過ごし新しい文化に触れることで、どのようにこのミッションに貢献できるかについての説明。
- 関心のある地域コミュニティや文化資源へのアクセス、交通手段(特に遠隔地の場合)、宿泊施設、言語の壁などを考慮した、申請内容の実現可能性を示す明確な説明。
- 活動計画や、旅費交通費、通訳費用(必要な場合)、渡航先国/地域での生活費に関して、現実的で(一般的な料金相場に基づく)妥当な予算計画。説明や見積もりの根拠となるリンクを添えて経費の正当性が示されることが望まれます。
- 調査や文化体験に役立つ可能性のある関係者や人脈。
個人フェローシップ申請資格
個人フェローシップに共同申請する場合、連名申請者を含む全ての方が一般申請資格及び個人フェローシップ申請資格を満たす必要があります。
- フェローシップ開始日までに21歳以上であること。
- ACCの対象分野(「一般申請資格」の項を参照)で5年以上の活動歴があること。
- フェローシップ期間中に大学に在学していないこと。
- 全ての連名申請者の必要情報が明記されていない共同申請書は選考対象外となります。
渡航先要件
個人フェローシップは、今回の募集期においては以下の地域間の渡航を支援します:
- アジアの国/地域から米国への渡航
- アジア地域間の渡航
個人フェローは、複数の国/地域でフェローシップ活動を実施する柔軟性がありますが、複数の目的地への移動に伴う複雑な旅程計画や制限などを考慮する必要があります。
アジアの国/地域へ渡航する個人フェローは、必要なビザを自身で確保する必要があります。これには、ビザ申請書類の準備と提出、ビザの面接予約、必要な費用の支払い(予算に含まれている場合、ACCの助成金から支払うことが可能)が含まれます。
個人フェローシップの渡航期間
- 助成期間内(2025年8月1日~2026年12月31日)の1ヶ月から6ヶ月。
- アジア地域間の渡航の場合、ACCが事前に承認した場合に限り、複数の国や地域に滞在する場合、フェローシップでの総滞在日数が1カ月以上あれば、ひとつの国/地域での1カ月未満の滞在が認められます。
- 米国への渡航の場合、J-1ビザの手配に時間を要するため、2025年9月1日よりも前に渡米することはできません。米国での滞在は連続して1ヶ月以上である必要があります。
予算について
個人フェローシップで支給される助成金は上限35,000米ドルまでの金額となります。予算書作成の際は、以下の項目を含めてください:
- 航空運賃を含む旅費交通費(エコノミークラス席のみ)
- 宿泊費
- 食費や現地交通費を含む生活費
- 調査に必要な費用や料金
- 翻訳および通訳費用(必要な場合)
予算項目に関する参考資料(例:航空券の見積書やリンク、現地の関係者による通訳費用の見積もりなど)の添付や、金額の大きな予算項目に関しては正当な理由が説明されていることが望まれます。(例:項目Yになぜ金額Xがかかるのか)
個人フェローシップの助成金額は、ACCによる予算審査に基づいて調整されることがあります。 また、申請されたフェローシップ活動内容に変更があった場合、助成金額が調整される可能性があることにご留意ください。
個人フェローへのサポート内容
ACCからのサポートは、申請された活動計画をより充実させ、渡航先のアートコミュニティや文化資源へのアクセスを強化し、文化交流の経験を深めていただくことを目的としています。
ACCはアジア全域にオフィスやスタッフを有していないため、特定の人脈紹介などのサポートには限界があることをご了承ください。ACCの活動内容や渡航や滞在におけるサポートは限定的である可能性を念頭に活動計画を立ててください。申請内容は、ACCからのサポートの有無にかかわらず、実現可能なものでなければなりません。
個人フェローへのサポートには以下の内容が含まれます:
活動内容におけるサポート
- 特にACCのオフィスがある香港、日本、フィリピン、台湾、米国では、訪れるべき施設や場所、参加すべきイベントなどを紹介。
- ACCの広いネットワーク内の現フェローやアルムナイの紹介。
渡航や滞在におけるサポート
- 米国に渡航する個人フェローには必須となる、J-1ビザ取得支援及び海外旅行健康保険の加入手続き。
- J-1ビザ費用(220米ドル)とJ-1ビザに義務付けられている海外旅行健康保険加入費用(150-200米ドル)はACCが支払い手続きを行いますが、支給される助成金から差し引かれますので予算に含めてください。
- アジアの国/地域に渡航する個人フェローは、必要に応じて自分でビザと海外旅行保険を手配してください。
個人フェローシップに関するFAQ よくあるご質問
- ニューヨーク・フェローシップと個人フェローシップの違いは何ですか。
- ニューヨーク・フェローシップと個人フェローシップは同じように思われるかもしれませんが、いくつかの明確な違いがあります。以下をご確認のうえ、どちらのフェローシップが最適かをご判断ください。
個人フェローシップ | ニューヨーク・フェローシップ |
---|---|
申請受付対象:アジアの国/地域から米国への渡航、アジア地域間の渡航 (米国からアジアの国/地域への渡航申請は、2025年秋に開始される2026年度募集期で受付。) |
申請受付対象:アジアの国/地域から米国への渡航のみ ニューヨーク・フェローは、ニューヨークでフェローシップを開始し、そのまま6ヶ月間ニューヨークに滞在することも、米国内の他の地域に滞在することも可。 |
日程は各自で決定。ただし、以下の点に留意すること。 ・申請する渡航と活動の日程は、助成期間内(2025年8月1日~2026年12月31日)であること。 ・個人フェローシップの渡航先別の最短及び最長期間: アジアの国/地域から米国:1~6カ月 アジア地域内:合計で1~6カ月(ACCが事前に承認した場合に限り、フェローシップでの総滞在日数が1カ月以上あれば、特定の渡航先国/地域への一回あたり1カ月未満の渡航が認められます。) |
2026年1月または2026年7月に開始し、期間は6ヶ月間。日程の交渉不可。 |
渡航先国/地域でのサポートは限定的。 (地域によって可能であれば、アドバイスやACCアルムナイの紹介 等) |
定期的な活動に関するサポート(アドバイス、ACCアルムナイや人脈の紹介、施設訪問 等) |
宿泊先は自分で手配。 | ニューヨーク・フェローは、ACCを通してインターナショナル・ハウスで宿泊先を確保するか(宿泊費は助成金から支出)、自分で宿泊先を手配するか選択が可能。 |
同一の個人フェローシップに(主申請者と連名申請者を含む)最大3名までの共同申請が可能。 | 共同申請不可。 |
米国に渡航するすべての個人フェローは、J-1ビザの取得が必須。ACCニューヨークオフィスが、米国に渡航するフェローのビザ申請手続きを支援。アジアの国/地域に渡航する個人フェローは、必要に応じて自分でビザを取得。 | ニューヨーク・フェローは、フェローシップで米国に入国するためには、J-1ビザ取得が必須。ACCニューヨークオフィスが、ニューヨーク・フェローのビザ取得支援を行う。米国市民および永住権保持者は、ニューヨーク・フェローシップへの応募不可。 |
- 個人フェローシップではどのくらいの金額を申請できますか。
- 個人フェローシップの上限は35,000米ドルとなります。ACCが支給する助成金は、申請金額と異なる場合があることにご留意ください。また、助成決定後に申請活動内容の変更があると、助成金額が調整される場合があります。また、共同申請の場合でも、グループ全体の助成金の上限は35,000米ドルです。
- 個人フェローシップではどのくらいの期間渡航できますか。
- 合計で1〜6ヶ月間。アジア域内を渡航する個人フェローは、ACCが事前に承認した場合に限り、複数の国や地域に滞在する場合、フェローシップでの総滞在日数が1カ月以上あれば、ひとつの国/地域での1カ月未満の滞在が認められます。
- 個人フェローシップへの申請内容はどの程度計画的であるべきですか。
- ACCは、文化交流や異文化に浸ることを目指す活動や調査を推奨しています。フェローシップの目的に沿って計画された活動と、新しい文化に触れるための時間をバランスよく確保することが望まれます。
- 連名申請者も各自で別途申請書を作成する必要がありますか。
- いいえ。「共同申請」を選択し、申請者全員に関する内容をひとつの申請書に含めてください。
- 連名申請者がACCの申請資格を満たしていません。それでも応募は可能ですか。
- 申請者全員が申請資格を満たしている必要があります。個人フェローシップへの応募は可能ですが、連名申請者を含まない内容を再考してください。
- 個人フェローシップ期間中、配偶者やパートナー、子供を同伴することは可能ですか。
- フェローシップ期間中、配偶者やパートナー、子供が滞在先を短期で訪問することは構いませんが、フェローシップ全期間を通じて帯同させることはお控えください。ACCは、これら同伴者のビザ取得や渡航に関する責任は負いかねます。また、ACCの助成金を同伴者のための費用に充てることはできません。
- 私のフェローシップは米国で実施されます。ACCは私の配偶者またはパートナー、子供にビザを提供してくれますか。
- いいえ。ACCは個人フェロー本人以外の方に対するビザ取得支援はいたしません。
- ACCは、フェローシップの渡航先での宿泊先を手配してくれますか。
- いいえ。ACCでは個人フェローのための宿泊施設の提供や手配は行っていません。国や地域によっては、ACCが住居に関する情報やアドバイスを提供する場合もありますが、これはすべての渡航先で保証されるものではありません。
- 個人フェローシップで滞在中、展覧会やカンファレンスに参加することはできますか。
- フェローシップ期間中は申請した活動内容に集中し、異文化に浸ることを強く推奨しています。場合によっては、カンファレンスや、イベント、展覧会への参加が申請活動内容に直接関連することもあります。しかし、個人フェローは、滞在先国/地域の移民法、労働法、税法によっては、これらの活動への参加に対する報酬を受け取ることができない場合があります(以下の質問を参照)。
- 個人フェローシップ期間中、仕事をしたり、カンファレンス、レクチャー、論文執筆などの活動に対する報酬を受け取ることは可能ですか?
- いいえ。個人フェローは、フェローシップで滞在する国/地域の移民法、労働法、税法に留意する必要があります。このような法律は、フェローが国内外の雇用主に対して有給の労働に従事することを禁止または制限することがあります。各国政府によっては講演料を伴うカンファレンスやその他のイベントへの参加なども有給の労働とみなされ、これらが制限される場合があります。ACCのニューヨークオフィスは、米国に渡航する個人フェローのJ-1ビザ保証人として、フェローシップ申請書に記載された活動のみを許可し、その他の有給の活動を許可または支援することはありません。
- フェローシップ期間中、渡航先国/地域以外に旅行することはできますか。(例:自国への一時帰国 等)
- 個人フェローシップは、継続的で長期的な文化交流・体験を目的としています。医療上または家族の緊急事態を除き、助成受給者はフェローシップ期間中に渡航先国/地域から離れることはお控えください。J-1ビザを取得して渡米する個人フェローは、フェローシップ期間中は米国に滞在する必要があります。米国に渡航する個人フェローが、フェローシップ期間中に他国を訪問する場合は、ACCの国際渡航免責同意書に署名する必要があります。
- フェローシップでアジア地域に渡航する場合、ACCにビザの保証人になってもらうことはできますか。
- いいえ。アジア地域内に渡航する個人フェローは、各自でビザを取得する必要があります。フェローシップに応募する前に、渡航先国/地域の政府が提示する渡航情報を入念に確認し、ビザやその他渡航許可を取得するための要件と手続きを理解しておく必要があります。渡航先の資格要件が不明な場合は、最寄りの大使館または領事館にお問い合わせください。
申請方法
- オンライン申請サイト「GoApply」を通しての申請となります。GoApplyは英語でのみご入力ください。
日本からの申請者は日本語の申請書をGoApplyに添付する必要があります。
- 日本からの申請者は、申請サイトGoApplyに英語で申請していただくのに加え、別途日本語の申請書をダウンロードし、必要事項をご記入の上、GoApplyの”Uploads(アップロード)”セクションにアップロードする必要があります。詳しくはGoApply内および日本語申請書内の指示をご確認ください。日本語の申請書は以下の「募集要項(和訳)と日本語の申請書」およびGoApplyの最初のページからダウンロードできます。
- 申請を開始するには、まず以下の「GoApply」への登録方法をお読みいただき、GoApplyのアカウントに登録してください。
GoApplyの申請資格テスト
- GoApplyの申請では始めに2ページ目の申請資格テスト(Eligibility Quiz)に合格する必要があります。申請資格テストでは、募集要項に基づいた申請資格の有無を確認する質問が出題されます。このテストに回答し、フェローシップに応募する資格があることが確認された申請者のみが申請に進むことができます。申請資格テストの質問の日本語訳は、以下のリンクよりご参照いただけます。申請資格テストはGoApplyのサイト上で英語で回答してください。
推薦状について
- 推薦状1通(日本語または英語。形式や文字数は任意)を、2024年11月18日(アメリカ東部標準時間午後11時59分、日本時間11月19日13時59分)までに推薦者から直接GoApplyにアップロードしていただく必要があります。申請提出の直後に、推薦者宛てにGoApplyへの推薦状のアップロード方法およびリンクが記載されたEメールが送信されます。推薦者が期限までに推薦状をアップロードできるよう、早めに申請書をご提出ください。
申請ポータルサイト「GoApply」への登録方法についての説明は、こちらをクリックしてください。
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